“一人ひとりができる、あらゆる努力”を
一昨年6月、日本の知性と良心を代表する9人が“平和を求める世界の市民と手をつなぐために、改めて憲法九条を激動する世界に輝かせたい”と訴えました。
そのアピールは、眠っていた私の脳ミソを揺さぶり、翌7月の「九条の会」発足記念講演に私を駆り立てました。
会場を埋め尽くした聴衆の前で、切々と九条の大切さを訴える9人の、その老いてなお闘志溢れる姿は、私に大きな衝撃を与えました。
振り返ってみれば、私のこれまでの作品群には広島と長崎の原爆、大阪の子どもたちの学童集団疎開、東京大空襲、そして地獄の沖縄戦というように、反戦平和を希求したものが多くあります。それらの作品は、私が少年期に体験した戦争の悲惨さ、飢えの辛さを二度と子どもたちにさせたくない、どんなことがあっても戦争してはいけない。そんな思いがあって1本1本の映画をつくり上げていったのです。ですから、憲法九条を改悪して「戦争する国」に変えるなど以ての外、断じて許すことができないのです。
その憲法改悪に真っ向から反対する映画が、今回の「日本の青空」です。私にとっては10年ぶりの反戦平和を希求する作品ですが、憲法という難しい素材をできる限り易しく、沢山の人たちから興味をもって観ていただける映画にしなくてはならないと思っています。
映画の成否の80%は脚本の良し悪しで決まると言われますがその脚本については、これまで皆様から寄せられたご意見を真摯に受けとめ、手を入れてもらいました。特に現代部分の若者に生命を吹き込み、生き生きとした若者像になったと思います。やはり映画ですから、涙も笑いも必要ですよね。
さて、出来上がった映画をどうやったら大勢の人たちに見てもらえるか、常に頭を悩ます課題です。
特に、今回のように映画の効果を狙って、憲法改悪を阻止するという遠大な目標を達成するためには、少なくても200万〜300万人の人たちに見ていただかなくてはなりません。そのためには、従来の製作者、配給者というワクを取り払い、文字通り両者一丸となって普及活動に取り組む必要があります。
「九条の会」のアピールの最後に“日本国憲法を守るという一点で手をつなぎ「改憲」のくわだてを阻むため、一人ひとりができる、あらゆる努力を、今すぐ始めるように”訴えています。
その“一人ひとりができる、あらゆる努力”を映画の製作、配給・普及活動に傾注しようではありませんか。
私も、全国行脚を厭わぬ覚悟で臨みます。
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